Flow for kintone の IF条件 ― 設定リファレンス

この記事で解説すること

Flow for kintone の条件分岐ノードには IF条件SWITCH条件 の2種類があります。この記事では IF条件の設定項目を網羅的に解説します。

  • IF条件ノードの基本構造
  • 判定タイプの種類(フィールド値・関数結果・変更検知条件)
  • AND/OR の複合条件とグループ化(ネスト)
  • 「いいえ」分岐の扱い方

サンプルシナリオ:案件管理アプリで「確度が80%以上かつ売上が100万円以上」の案件が保存されたとき、上長に承認依頼の通知を自動送信する。


IF条件ノードとは

IF条件ノードは、設定した条件を評価して 「はい」か「いいえ」の2方向 にフローを分岐するノードです。

  • 「はい」(True) ― 条件を満たした場合のフローへ
  • 「いいえ」(False) ― 条件を満たさなかった場合のフローへ

条件ノード自体はレコードを変更しません。次に続くアクションノードで実際の処理(フィールドの更新・通知の送信など)を行います。

Flow for kintone エディタ — 完成したフロー全体像(保存後トリガー→IF条件→通知アクションの3ノード構成)

IF条件が適しているケース

  • 「○○ならA処理、そうでなければB処理(または何もしない)」という2択の分岐
  • 複数の数値・日付フィールドを組み合わせた判定

3つ以上の分岐が必要な場合(「受注なら→A、失注なら→B、保留なら→C」など)は、SWITCH条件 が適しています。


条件の追加

ノードをクリックして「条件を編集」ダイアログを開きます。「+条件を追加」ボタンから新しい条件を設定します。

判定タイプを選択する

条件の種類を「判定タイプ」で選びます。

条件を編集ダイアログの判定タイプドロップダウン — フィールド値・関数結果・変更検知条件の選択肢が表示された状態

判定タイプ:フィールド値

kintone レコードのフィールド値を直接判定します。テキスト・数値・日付・選択肢など、ほとんどのフィールドタイプに対応しています。

設定の流れ:

  1. 判定タイプで「フィールド値」を選択(初期設定)
  2. 判定するフィールドを選択
  3. 演算子を選択(等しい・以上・含む・空欄 など)
  4. 比較値を入力(固定値またはフィールド参照)

使える演算子:等しい・等しくない・以上・以下・範囲・含む・前方一致・後方一致・空欄・空欄以外 など

サンプルシナリオでの設定例:

案件管理アプリの「確度」フィールド(ドロップダウン)を判定する場合:

  • フィールド:確度
  • 演算子:いずれかを含む
  • 比較値:100%80% を選択

ドロップダウンフィールドには「以上」「以下」は使えません。「いずれかを含む」演算子でチェックボックスから値を選択します。

フィールド値の条件設定 — 確度フィールドで演算子「いずれかを含む」を選択し、100%と80%にチェックが入った状態

判定タイプ:関数結果

SUM・AVERAGE・CEIL などの関数の計算結果を条件に使います。フィールド値そのものではなく、集計・変換した値で判定したい場合に利用します。

設定の流れ:

  1. 判定タイプで「関数結果」を選択
  2. 使用する関数を選択(例:SUM、AVERAGE)
  3. 関数の引数を設定(固定値またはフィールド参照)
  4. 演算子と比較値を設定

案件管理での活用例

サブテーブル形式の明細がある場合、SUM([明細金額]) で合計を計算してから判定することができます。今回のサンプルシナリオの「売上フィールドが100万円以上」という判定はフィールド値で直接比較しますが、サブテーブルの集計値を使いたい場合に「関数結果」を使います。

設定例:

  • SUM([明細金額]) 以上 1000000(サブテーブル内の合計を判定)
  • AVERAGE([明細金額]) 以上 50000(サブテーブル内の平均値を判定)
判定タイプ「関数結果」を選択した条件編集ダイアログ — 「関数を選択」ボタンが表示された状態
関数選択ダイアログ — 数値計算タブにABS・AVERAGE・CEIL・COUNT・FLOORなどの関数一覧が表示された状態

判定タイプ:変更検知条件

保存するとき / 保存に成功した後 のトリガーで使えるもう1つの判定タイプです。フィールド値が「変更されたか・されていないか」を判定します。

この判定タイプは、保存系トリガー(保存するとき / 保存に成功した後)を設定しているフローでのみ選択可能です。それ以外のトリガー(フィールド値変更時など)では選択肢がグレーアウトされます。

設定の流れ:

  1. 判定タイプで「変更検知条件」を選択
  2. 変更を検知するフィールドを選択
  3. 検知条件を「変更された」または「変更されていない」から選択
変更検知条件の設定ダイアログ — 判定タイプ「変更検知条件」とガイドメッセージ、フィールド「商談フェーズ」、検知条件「変更された」が設定された状態

仕組み: レコードの編集画面を開いた時点のフィールド値をメモリに記憶し、保存時のフィールド値と比較します。値が異なっていれば「変更された」、同じであれば「変更されていない」と判定します。

使いどころ

「商談フェーズが受注になったときだけ通知する」場合、フィールド条件だけでは「商談フェーズ = 受注」のレコードを毎回保存するたびに条件を満たしてしまいます。変更検知条件とフィールド条件を AND で組み合わせることで、「変更された AND 受注である」=「ちょうど受注に変わった保存のときだけ」を表現できます。


複合条件:AND と OR

複数の条件を組み合わせるには、条件グループ上部の AND(すべて) / OR(いずれか) を切り替えます。

  • AND(すべて) ― すべての条件を満たす場合のみ「はい」
  • OR(いずれか) ― いずれか1つでも条件を満たせば「はい」

AND条件の設定例

「確度が80%以上 かつ 売上が100万円以上」という条件:

AND(すべて)
├─ 確度 いずれかを含む 80%・100%
└─ 売上 以上 1000000

両方の条件を同時に満たす案件のみ「はい」側に進みます。確度が高くても売上が低ければ通知しない、逆も同様というロジックを1つの条件ノードで表現できます。

AND条件の設定 — 確度(いずれかを含む 80%・100%)と売上(以上 1000000)の2条件がANDで並んだ状態

OR条件の設定例

「確度が80%以上 または 商談フェーズが内示」という条件:

OR(いずれか)
├─ 確度 いずれかを含む 80%・100%
└─ 商談フェーズ 等しい 内示

どちらか一方を満たせば「はい」に進みます。確度が高い案件だけでなく、内示が出た案件も上長に知らせたい場合に有効です。

OR条件の設定 — 確度(いずれかを含む 100%・80%)と商談フェーズ(等しい 内示)の2条件がORで並んだ状態

ネスト条件:グループの中にグループ

「A かつ(B または C)」のような複合条件は、グループ化(ネスト)で表現します。

「+グループを追加」ボタンでグループを追加すると、グループ内で独立した AND/OR を設定できます。

ネスト条件の設定例

「商談フェーズが提案中 かつ(確度が80% または 確度が100%)」という条件:

AND(すべて)
├─ 商談フェーズ 等しい「提案中」
└─ OR(いずれか)グループ
    ├─ 確度 等しい 80%
    └─ 確度 等しい 100%

この条件は「提案フェーズにある案件のうち、確度が高い(80%か100%)ものだけ上長に通知する」というロジックです。ネストを使わずに AND だけで並べると「提案中 AND 確度=80% AND 確度=100%」になってしまい、確度が80%と100%を同時に満たすことはないため、常に「いいえ」になってしまいます。

ネスト条件の設定 — 最上位ANDグループの中に「商談フェーズ 等しい 提案中」と子グループ「OR:確度=80% / 確度=100%」が入れ子になった状態

「いいえ」分岐の扱い方

IF条件ノードの ×(いいえ) 出力は、条件を満たさなかった場合に進むパスです。

後続ノードを接続しない(終端)

「いいえ」出力に何も接続しなければ、条件を満たさなかった場合はそこでフローが終了します。「条件を満たすときだけ処理する」というケースで最も一般的な設定です。

「いいえ」側にも処理を続ける

「いいえ」出力にもアクションノードや別の条件ノードを接続することで、「はい → A処理、いいえ → B処理」という2方向の処理が可能になります。

IF条件ノード
├─ ✓(はい) → 上長に承認依頼通知
└─ ×(いいえ) → 担当者に要件不足通知

3択以上になってきたら SWITCH条件へ

「いいえ」側にさらに IF条件を重ねると、フローが深くネストして可読性が下がります。「フェーズが受注なら→A、失注なら→B、保留なら→C」のように3択以上の振り分けが必要になった場合は、SWITCH条件への切り替えを検討してください。


まとめ

設定項目 内容
判定タイプ フィールド値 / 関数結果 / 変更検知条件(保存系トリガー限定)
演算子 等しい・以上・以下・含む・空欄 など(変更検知: 変更された/変更されていない)
論理演算子 AND(すべて)/ OR(いずれか)
ネスト グループを追加して複合条件を表現
出力 「はい」(True)と「いいえ」(False)の2方向

条件ノードは判断のみを行い、その後の処理はアクションノードに委ねます。今回のサンプルシナリオ(確度 ≥ 80% AND 売上 ≥ 100万円 → 上長に通知)のように、複数フィールドの組み合わせで判定したい場合は AND条件を活用してください。

IF条件 vs SWITCH条件の使い分け

  • 2択(はい/いいえ) → IF条件
  • 3択以上(受注なら→A、失注なら→B、保留なら→C など) → SWITCH条件

3つ以上の分岐が必要な場合に IF条件を重ねると、フローが深くネストして読みにくくなります。選択肢ごとに処理を振り分けるケースは SWITCH条件を使うと、フローをシンプルかつ明快に表現できます。

SWITCH条件(多分岐)については「Flow for kintone の SWITCH条件 ― 設定リファレンス」で解説しています。

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